文政8年創業!江戸時代から続く最後の紅屋。いにしえの口紅”小町紅”にかける想い

皆さんは、今の口紅の形が、なぜスティックのような形をしているのか?ご存知でしょうか?

本日は、東京都港区南青山にある「紅・化粧」の歴史を学び・体感できる資料館「紅ミュージアム」を運営する株式会社伊勢半本店の阿部さんにお話をお伺いしてきました!!

今回、ご紹介する江戸時代から続く伝統の口紅、“小町紅(こまちべに)”の魅力はもちろん、紅作りについてご紹介していきたいと思います!!

 

日本唯一の紅屋「伊勢半本店」
紅職人が195年間守り続ける玉虫色の紅”小町紅”

―まずはじめに御社についてお聞かせください。
 御社の成り立ちや事業内容など、どういった会社か教えてください。

弊社、株式会社伊勢半本店は今から195年前の文政8年(1825年)に、紅を製造・販売する紅屋として初代・澤田半右衛門が日本橋に創業しました。

もともと紅は、京坂を中心に作られていました。化粧の習慣が一般庶民にまで普及した文化・文政期に、主流であった京都製の紅に劣らない玉虫色の紅を江戸で完成させまして、秘伝の製法を歴代の紅匠(紅職人)に受け継ぎ、現在までずっと守り続けています。

現在の伊勢半本店や、伊勢半グループには、このような歴史があります。

― 195年ですか?!すごい歴史ですね!!

そうですね。

今、『紅屋』といわれても、なかなか身近には感じられないと思いますが、当時は紅花の花びらから採れる赤色色素を抽出して、化粧品や食紅、絵の具、染物などといった様々な用途で利用されていました。

しかし、明治時代に海外から合成染料が輸入されるようになり、紅より安価で、色褪せも少ないなどの理由から徐々に目新しいものへと切り替えられてしまいました。

江戸時代にはたくさんの紅屋がありましたが、1軒また1軒と廃業や転業し、昭和時代になると1桁台になってしまい、現在では、弊社が最後の1軒になってしまいました。

伊勢半本店では江戸時代から続く紅作りをこれからも続け、未来に残していきたいと想っています。

―御社や職人達が日本の伝統工芸『紅(紅屋)』を守り続けているんですね。
 すごく御社を応援したくなると同時に早く商品についてお伺いしたくなりました。

 

 

約1,000輪からおちょこ1つ分しか取れない”希少価値”
使う人で色味も質感も変わる奇跡の発色!

― それでは次に、“小町紅(こまちべに)”についてお伺いさせていただきます。
 “小町紅(こまちべに)”ができた背景や特徴を教えて下さい。

この“小町紅(こまちべに)”の名前自体は京都の紅屋さんが発祥となっており、世界3大美女として名高い「小野小町」にあやかって名付けられたと言われています。最後の紅屋として、私どもがその名前を守らせていただいております。

 

原料は、山形県産の最上紅花(もがみべにばな)だけで作られます。

この紅花の花びらに含まれる⾚⾊⾊素はわずか1%と大変希少で、約1,000輪分の紅花から採れる紅は、わずかおちょこ1つ分にしかなりません。紅作りは非常に⼿間がかかり、職人の技と経験を要します。

江戸時代から受け継がれてきた製法で1つ1つ丹精込めて仕上げると、玉虫色(メタリックグリーン)に輝く紅となります。水を含ませた筆で溶くと一瞬で鮮やかな赤へと変化し、使う方の唇や肌の色により、色味も変わる発色は最大の特徴ですね。小町紅というと古く画一的な赤色のイメージが持つ方が多いかもしれませんが、意外とパウダーやグロス使いで、その日の気分にあわせた質感も多様に表現出来ます。

―とてもキレイな玉虫色ですね。これが赤に変化するんですね。

 

 

―何点ぐらいの商品展開があるのでしょうか??

昨年2019年11月にリニューアルしまして、昔ながらの磁気のおちょこや現代風なコンパクトタイプなど7種類の商品を展開させていただいております。

今回ご紹介させていただくのは、紙製の携帯用紅板の竹に青海波(たけにせいがいは)撫子に麻の葉(なでしこにあさのは)になります。

こちらの商品はコンパクトサイズで鏡も付いていて、初めての方にもお試していただきやすい製品に仕上がったと思います。

 

撮影:外山亮一

 

―この商品を開発するにあたって、苦労されたことはどういった点でしたでしょうか?

携帯用としての持ち運びしやすさ紅を刷く部分の材質になります。

―材質ですか?

はい。紅を器に塗りつけて乾燥させるのですが、紅と器の材質との相性はすごく大切です。

磁器と漆の器はしっかり吸着し、相性の良い素材になりますが、プラスチックでは、紅が乾燥するとパリパリ剥がれてしまったり、ガラスの器では、光を透過するためこだわりの玉虫色が出ず、色持ちも悪かったりします。

何十種類も色々素材を集めてたどり着いたのは、ポリプロピレンでした。

しっかりと紅が刷けるかどうか、何度も職人の所に持ち込んで試して、色ムラが出ないか、剥がれてこないかなどを吟味して、製品として提供できる状態にするにはかなり苦労しました。

― ちなみに、どのくらいの時間がかかったのでしょうか?

今回、磁器でもなく漆でもない、携帯用で持ち運びやすい素材を見つけることにこだわったので、計画を始めてから2年以上はかかりましたね。

 

 

―様々なご苦労されたお話をお伺いしてきましたが、
 小町紅の製造にあたって、心がけていることはどのようなことですか?

弊社の“小町紅(こまちべに)”というのは器に塗り乾燥すると、玉虫色と言われる緑色のメタリックな色にキラキラと輝きます。この色は「良質な紅の証」と言われ、作ればいつも出るとは限りません。抽出方法も数十工程をかけて、2人しかいない職人の経験と勘で出来ているこだわりの色なんです。求める色が出せない限り、商品が店頭に届かないんですよ。

また、原料の紅花が自然のものですので、その年その年の出来に左右されます。その花びらに含まれる赤色色素は生育状況、加工条件や生産農家さんによっても異なってきますので、そういったところも見極めながら『伝統的製造手法を守り、絶対にこだわりの品質を落とさない』というところは心がけていますね。

 

出産、初節句、七五三、成人、結婚、還暦…人生の節目に。
贈り物で喜ばれる”無添加の天然素材”

― どんなユーザーに使われていますか?

人の一生のうちに訪れる、出産、お宮参り、初節句、七五三、成人、結婚、還暦など、節目の時に、お祝いやご自身用としてご利用になられる方が多いです。

ご購入をいただいておりますお客様としては、男性も女性も幅広く、若い20代の男性もお買い求めに来てくださいます。また小町紅は、純度の高い赤色色素のみであり、添加物が全く入っていないため、天然素材にこだわる方にも好んでお使いいただいています。

―今後、どういったユーザーに使ってほしいですか?

やはり若い世代に使っていただけると、長く日本の未来に伝えていけるかなと思うので、まずは一度試していただけると嬉しいです。

 

― 本記事を見られてご購入してみたい方もいらっしゃるかと思いますので、
 こちらの商品は、どういった所で売られているか教えてください。

こちらの紅ミュージアムと弊社の公式オンラインショップでお買い求めいただけます。

 

撮影:外山亮一

 

― 最後に本記事をご覧いただいているユーザー様へメッセージをお願いします。

小町紅は、つける方によって発色が異なります。

カラーバリエーションは一色しかありませんが、各々の素肌の色に紅が重なり、それぞれ赤い発色になる方、オレンジ色の方、ピンク色の方、少し光沢を帯びる方もいらっしゃいます。

ご自身を一番魅力的に輝かせる赤色の新たな発見にもなると思いますので、ぜひ試してみていただければと思います。

また、紅ミュージアムでは、様々な化粧品会社様のご協力を得て、紅・化粧の歴史をご紹介していますので、ぜひ紅ミュージアムへ足を運んでいただけると幸いです。

―本日はありがとうございました!

取材後、現在の口紅の形が実は銃の薬莢の金型を転用したものと言われていることや、戦中戦後の木製のリップスティックケースや紙巻きの口紅など、数々の歴史的価値のある展示品を阿部さんにご紹介いただきました。

今回のプレゼント商品は、携帯用で初めて試そうという方へイチオシ!
”小町紅 撫子に麻の葉”を抽選で3名様にプレゼント★

詳しくは、下記Twitter内容をご確認ください。

最新情報をチェックしよう!